『アニスタ神殿記』の感想
2016年 02月 28日Kindle版で発売している「アニスタ神殿記」について書いて下さっているブログを、偶然見つけた!
大変ありがたいことに「傑作」と言ってくださっている。
部分的にご紹介させていただく。
興味がおありの方は、是非リンク先で全文をお読みいただきたい。
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taipeimonochrome「アニスタ神殿記/佐伯香也子」
傑作。室井亜砂二の推薦文で、歴史的怪作『家畜人ヤプー』に比肩する作品と書かれていたことから興味を示して読み始めたのですが、素晴らしい。
執拗に繰り返される拷問の背後に隠されたモチーフと、拷問を耐え抜いたヒロインの解脱を巧みに重ねて世界の深淵を描き出した企みは紛れもなくSFや幻想小説に近接した趣を醸しており、特に最後の真相とでもいうべき結末に、永井豪の『デビルマン』を想起してしまったのは自分だけではないと思うのですが、いかがでしょう。
物語は、空に浮かぶ島・アニスタに棲む神人の捧げ物となった女たちが、想像を絶する拷問を受け続ける、――という話なのですが、神人の奇想溢れる拷問技のバリエーションが秀逸です。
獣人を用いて女体を徹底的に破壊し尽くしながらも、再生によって再び肉体を元に戻され、また拷問が繰り返される、(中略)――そうしたシーンの数々はあまりに痛々しくて読み通すのにかなりの苦行を必要としたことはここに告白しておくべきかもしれません(爆)。
とはいえ、本作はただ単にハードな責めを書き綴るのが目的ではなく、いうなれば、責め苦の彼岸にある『何か』を描くことが本懐であり、そうした意味でもSM小説の外観を備えつつ、その企図はかつての幻想小説、……いや、むしろ、ミステリやSFといったジャンルが未分化だった奇想の時代の物語の末裔というべきかもしれません。
後半から、物語は一気に加速していき、最後に壮大な世界の真相が明かされるという結末は素晴らしいのひと言。
自分のようなロートル世代で『デビルマン』や佐々木淳子の『那由多』にハマった人であれば、この荘厳な結末はかなり納得できるのではないでしょうか。
というか、むしろ「3」の本文よりもこちらの方が俄然愉しめてしまったのはまたナイショです。
かなり読者を選ぶこと確実という作品ながら、血しぶきと痛みに耐性の薄いナイーブな本読みの方とても、拷問シーンを軽くスルーしながらこの幕引きを堪能するべき逸品といえるのではないでしょうか。オススメです。
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ノーマルな性向の方でありながら、あのハードなシーンを読みとおして下さったことに、まずは感謝申し上げたい。
いや〜、もう、大変だったと思います(´∀`;)
それに「3」のあとがきにまで言及して下さっていて、大感激!
私がSM小説を書く時の根幹をなすものなので、一般の方のご理解は大きな励みだ。
また、室井さんの推薦文がきっかけとなったことを思うと、やはり恩義を感じずにはいられない。
表紙絵を、ダメもとでお願いしてみて本当によかった!
室井さん、ありがとうございます!
それから、これはTwitterのフォロワーさんからなのだが、やはり「アニスタ」への感想をいただいた。
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徹夜で神殿記を読み終わった。これ以上のがないかも。
前にも沼氏の「家畜人ヤプー」も読み終わっても、神殿記から受けた衝撃のほうが気に入ります。
サフォルミアの日常でも最下層のイレナでもそれらの世界を支えることが素晴らしかった。
いい作品で本当にありがとうございます。
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徹夜で読んでくださったなんて、作家冥利につきる!
マドンナメイト文庫の2冊も売れて欲しいが、自分で出した電子版がこのようにして注目されるとやはりうれしい。
特に「アニスタ神殿記」は異色の物語なので、より多くの方の目に触れることを強く願っている。